タラバガニは、名前にカニと付いていますが、実は花咲ガニと同じヤドカリの仲間になります。
「タラバ」を漢字で書くと「鱈場」になります。
そして、「タラバガニ」は、「鱈が生息する場にいる」カニという意味になります。
日本で鱈と言うと、主に「マダラ」のことを指す場合が多く、マダラは2~4℃程度の冷水を好む寒冷地を代表する魚です。
そして、「タラバガニ」も海水の温度が低いところに生息しており、日本海からオホーツク海、カムチャッカ、アラスカ沿岸の北極海辺りが生息域とされています。
目次
タラバガニとアブラガニの違い
ネットで「タラバガニ」と検索すると、「アブラガニ」と言う名前も表示されることが多いです。
それはなぜかというと、タラバガニとアブラガニは近縁種のため、非常に似ているからです。
そして、以前ある企業が「アブラガニ」を「タラバガニ」と偽って表示販売し、景品表示法違反で排除命令を受け注目されたことで、
2種のカニの類似性が注目されたのです。
大きな違いとしては、甲羅の中央下部にある逆三角形にへこんだ場所に、大きな突起物(とげ)がタラバガニには6つ、アブラガニには4つあります。
但し、個体差もあるので見分けがつきにくい場合もあります。
また、ボイル前は、タラバガニは全体に赤みがかっているのに対して、アブラガニは青みがかった色をしています。
ボイルすれば、どちらも鮮やかな赤色になるので、色での見分けはつけにくくなります。
脚で見分ける場合は、足の裏はアブラガニが白っぽいのに対して、タラバガニは薄紅色をしており、爪の長さに比べてアブラガニは足の長さが短く、タラバガニは長くなります。
ですが、素人が脚だけで見分けるのは非常に難しいです。
ということで、ボイル後に肩や脚だけを購入する場合、見分けるのは困難になります。
両方を比較すると、「タラバガニ」の方が断然人気が高く、「アブラガニ」の方が漁期も長いため、「タラバガニ」の方が当然値段が高くなります。
味に関して言えば、「アブラガニ」の方が薄味で少し劣ると言われていますが、同じタラバガニ科ということもあり、新鮮な物は味もあまり変わらずコスト的に「アブラガニ」を好んで食べるという人も多いようです。
タラバガニの産地について
日本で食べられるズワイガニには、ズワイガニ(本ズワイカニ)、ベニズワイガニ、オオズワイガニと3種類のズワイガニがあります。
また、日本近海で捕れるズワイガニ(本ズワイカニ)には、水揚げされる港によって、それぞれ名前がつけられた数多くの「ブランド蟹」が存在します。
それに対して、日本近海で捕れるタラバガニは北海道近辺に限られており、日本産のタラバガニブランドと言えば「北海道産」がブランドになります。
また、日本の船がオホーツク海で捕獲したタラバガニは「日本産」となるため、その産地も「北海道産」となるわけです。
そして、タラバガニ水揚げ量日本一の港と言えば、北海道の最北端である稚内市の稚内港になります。
その北海道産タラバガニの水揚げ量も年々減少しており、日本で食されるタラバガニの5%ほどであり、ほとんどが海外(ロシア・アメリカ・カナダ・ノルウェー)からの輸入品と言うことになります。
タラバガニの旬について
タラバガニの旬は、下記の通り2度あります。
◇タラバガニの旬/その1:4月から5月
◇タラバガニの旬/その2:11月から翌年2月
一度目の旬は4月~5月で、この時期のカニは流氷が去り見の甘みが増す頃だと言われています。
二度目の旬は、カニの需要が大きくなる冬場の11月~2月の間です。
この時期は、カニが脱皮を終えて身がギュッと詰まる時期になり、「硬ガニ」とも言われます。
ロシアではカニの漁期が決まっておらず、ほぼ1年中捕れます。
ロシア産タラバガニの旬は春から夏にかけてが旬(アラスカ産は冬)と言われていますが、それ以外の時期にも捕獲されそれが冷凍物として出荷されます。
ですから、捕れる時期によっては、質のあまり良くないものもあるわけです。
販売されているもので極端に値段が安いものには、それらの質のあまり良くないタラバガニも含まれる可能性があります。
海外産に関しては捕れた時期などの明示がないため、蟹の専門店で購入するとか、ホームページ等を見て選別法や調理法などを調べるなど、販売店の見極めも必要になってくるようです。
タラバガニに限らず日本産のカニ関しては、漁期も厳しく制限されており品質も高いので安心して購入できます。
但し、漁獲量も少ないため必然的に値段も高くなります。
タラバガニの食べ方について
タラバガニのおすすめの食べ方は、下記になります。
・カニ鍋
・カニしゃぶ
・味噌汁
・焼きガニ
購入する際には、「生」のまま冷凍したものなのか、「ボイル」した後に冷凍したものかも調べてから購入する必要があります。
冷凍する際の鮮度が良ければ、「生」でも「ボイル」でも、味にはほとんど差がありません。
ですが、どのような食べ方や調理法をするかで、「生」を注文するか「ボイル」を注文するか決める必要があります。
カニ鍋やカニしゃぶなど、お湯に通して食べたい方や調理したい方は「生」を選ぶのが無難です。
「ボイル」の蟹は、既に一度茹でてあるため、再度茹でると旨味が流れてしまったり、身が固くなりパサパサで美味しくなくなるからです。
そして、解凍した後にそのまま食べたいは「ボイル」の蟹を選ぶと良いでしょう。
タラバガニの解凍方法について
日本近海で捕れるタラバガニは、北海道近海で捕れるものに限られており、日本で流通しているタラバガニの95%がロシアなどからの輸入品となっています。
ということで、通販などで購入するタラバガニは殆どが冷凍物になります。
冷凍されたタラバガニは、食べる前に解凍する必要がありますが、この解凍方法に失敗するとせっかくの高価なカニが不味かったという結果になります。
では、どの様に解凍するのが一番いいのでしょうか?
冷蔵庫解凍も良いのですが時間がかかるので、「氷水解凍」するのがおすすめです。
①カニより大きめの容器に、氷水を用意する。
・大きなボウルや鍋、購入時の発泡スチロールなどに、水:氷=10:3ぐらいの割合で氷水を作って用意します。
②冷凍されたカニを、大きめのビニール袋に入れて氷水につける。
・水が入ってこないようにビニール袋は口を縛るのがベスト。
水漏れが気になる方はビニール袋を2重にするか、大きめのジップロックに入れてもいいでしょう。
・シュリンク包装されているカニは、裂け目があるかもしれないので、キッチンペーパーなどで包んでからビニール袋に入れるといいでしょう。
※水に浸かりきらずに浮いてくる場合は、上に重しを置いて水中に浸かるように工夫をします。
③解凍状況をチェックする。
・解凍中に袋に薄い氷の膜が付くことがあるので、それを剥がします。
そのままにしておくと、温度が低くなり解凍が進まないので。
④解凍完了
・殻を指で押してみて、弾力を感じたら解凍が終わっています。
・500gで3~4時間ほどで解凍できますが、姿だと脚のみよりも少し時間がかかります。
・完全に解凍するより、8割程度の解凍が目安です。
・食べきる量だけを解凍し、あまったからと再冷凍するのは厳禁!
人気のタラバガニの旬や解凍方法について:まとめ
「タラバガニ」は、「ズワイガニ」と並んで、日本人が大好きな蟹です。
紅葉が始まりこたつが必要な季節になると、何故か無性に食べたくなる「カニ」は、日本の冬の風物詩には無くてはならない食べ物です。
こちらのページでは、そんな日本人が大好きなカニの一種「タラバガニ」の産地や旬、美味しく食べるための解凍方法などを説明してきました。
年末年始の蟹パーティーを楽しみにしている方、これらの情報をご参考に美味しい「タラバガニ」を見つけてください!
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